タイニーハウスって?
【概要】
その名の通り、ごくコンパクトな面積の家を指します。はっきりとした基準はないものの、10〜25平米程度で1〜2名が暮らせるような小さな空間です。日本では、2011年に起こった大きな震災や2020年からのコロナ禍の影響もあり、ここ10年前後で脚光を浴びています。その発祥は2000年頃のアメリカへとたどります。広い土地と大きな家が当たり前だったアメリカで、「移動可能な小さな家」が住宅関連の賞を受賞。以降世界的に、経済危機やミニマル主義的なライフスタイルの流行などとともに注目されてきました。
【種類】
タイニーハウスは、移動の可否で大きく2つにわけられます。
①移動しないもの:プレハブ住宅・コンテナハウス・スモールハウス(小屋)・ドームハウスなど、通常の住宅のように固定して使用される建物です。最短1日で設置できるごく簡易的なもの、デザイン性を特徴とするもの、移設可能なものや防災機能の高いものなどさまざまに展開されています。
②移動できるもの:車両によって牽引可能なトレーラーハウスなど。タイニーハウスの源流となったのもこちらのタイプです。法制上は車両扱いとなるため、通常の住宅とは異なり固定資産税などはかかりません。
いずれも住居として利用されるだけでなく、ワークスペースや小さな店舗、趣味部屋、宿泊施設などさまざまな用途に用いられています。
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Point.01 費用
①の移動しないタイプは、水まわりの有無で料金が大きく変わってくることが多いです。水回り設備なしのものでおよそ100〜300万円前後。水まわり設備や断熱などの機能があるものは500万円以上になってきます。②の移動できるタイプも500万円以上となることが大半でしょう。
また建築確認申請が必要な場合、少なくとも申請費用に20〜40万円ほど、実際の基礎工事に50万円ほどは想定しておくと安心です。
ちなみに、タイニーハウスでも住宅ローンは適用されるのでしょうか?その答えは、各金融機関によって異なります(40〜50平米が中心)。また、ローン控除の対象についても同様のことが言えます。
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Point.02 手続き・法制度
建築確認が必要となるのは、床面積が10平米を超えるケースです。ただし防火地域・準防火地域であるかといった点や、住宅のある土地に増築を行う場合など、さまざまな観点によって条件は変動します。固定資産税については、前述のように車両扱いとなるものには発生しません。いっぽう①の中でも基礎を作るような固定式のものには、固定資産税がかかると考えてよいでしょう。
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Point.03 メリット
■費用の安さ:一般的な建物に加えて手頃に手に入れやすいのが特徴です。面積が小さいぶん、照明や空調などのランニングコストも比較的安く済ませやすいといえるでしょう。
■カスタマイズのしやすさ:内装工事やメンテナンスなどを、自分で行いやすいのもポイント。DIY好きから支持されている理由のひとつでもあります。
■移動生活も可能:タイプによっては、旅を続けながら生活するといったことも可能になります。
■中古でも手に入れやすい:ゼロから購入・建築しなくとも、オークションサービスなどで手軽に購入できる場合があります。
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Point.04 デメリット
■プライベートを確保しづらい:2名以上で利用する場合、空間の使い分けやプライベートの確保には工夫が必要になるでしょう。
■モノや人数を増やしづらい:利用のしかたによっては、家族が増えた場合や、生活に必要なモノが増えた場合のことを考えておくのが安心です。
■不動産会社や賃貸仲介業者では見つけにくい:一般的な住宅と比べると、まだまだ数が少ないのが現状。関連する展示会に出向いてみる、タイニーハウスを使用した宿泊施設を利用してみるなど、アンテナを立てておくのがおすすめです。